第四話 みなみはイノベーションに取り組んだ。
今回のテーマは『イノベーション』。マーケティングと共に企業がもつ二つだけの基本機能であり、この二つだけが成果を生む。と、ドラッカーが言っている重要な言葉です。
しかし、残念ながら、お話しの中での『イノベーション』の捉え方には問題があるといえるでしょう。みなみ達は『イノベーション』の「新しい価値」という面に拘わり過ぎて、加地監督の革新的なアイデアに飛びついて、盲目的に推進しているように見えます。『イノベーション』にはもちろんアイデアも必要ですが、そのアイデアを「機会」と結び付けなければ成功しません。お話しの中で、みなみが「成果とは百発百中のことではない。百発百中は曲芸である。」という言葉を引用していましたが、一発必中もやはり曲芸なのだと思います。
『イノベーションと起業家精神』では「イノベーションのためには、七種類の機会を調べなければならない。」として、予期せぬこと、ギャップ、ニーズ、産業の構造変化、人口の変化、認識の変化、新知識という七つの機会について述べられています。さらに「イノベーションを成功させる人たちは、リスクを求めて飛び出すよりも、時間をかけてキャッシュフローを調べる。リスク志向ではない。機会志向である。」とも書かれています。お話しの中の、みなみ達は明らかにリスク指向になってしまっています。
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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
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