2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『ドラッカー365の金言』2月28日・『マネジメント』より

マネジメントが著された頃には、小売店は重要な顧客だった。日本においては更に、卸店も大きな影響力を持っていた。しかし、今、イーコマースの発達によって、顧客の定義も変わった。しかし、だからこそ改めて「顧客は誰か」という問いを考えなければならな…

『ドラッカー365の金言』2月27日・『マネジメント』より

事業の成功とは何だろうか。自分達がやりたいことをやることではないことは明らかだろう。例えば、ある分野でのシェアでトップを取ることや、大きな売上げや利益を得ることだと定義したとしても。それらは、その事業を評価してお金を払ってくれる顧客がいな…

『ドラッカー365の金言』2月26日・『ネクスト・ソサエティ』より

今日の頁で挙げられている三つのモデルは限定的な成功であり、本文の中でそれぞれのモデルの失敗した経緯が明らかになっている。失敗の要因を知ることは問題解決の第一歩だ。もちろん、それだけで解決するわけではないが、それでも、今日の頁で述べられてい…

『ドラッカー365の金言』2月25日・『明日を支配するもの』より

現在、知識労働者の価値を最も理解しその能力を活す方法を体現している企業の一つが Google ではないかと思う。 Microsoft が資金力で買収を試み結局失敗に終わったことは、今日の頁でドラッカーが投げかけている問いの、答えを示唆していると思う。明日を支…

『ドラッカー365の金言』2月24日・『産業人の未来』より

組織を構成する人々がシラケてしまっている状態は、組織にとって危機的状態だ。それどころか、そもそも組織の存在そのものが害であるとすらいえる。反逆する余地があれば、まだ、再生の機会があるだけましだとさえいえる。ドラッカー名著集10 産業人の未来 (…

『ドラッカー365の金言』2月23日・『ポスト資本主義社会』より

ドラッカーが予測したような「破局的な事態」が起こっても、本文で述べられていてようなグローバル機関が創設されているとはいえない。環境分野にしても、現状では政治的な駆け引きの道具に成り下がってしまっている。テロの抑止については日本の役割は限定…

『ドラッカー365の金言』2月22日・『ポスト資本主義社会』より

税を集めそれを再分配するのは政府の役割だ。しかし、税金で票を買うというのは本末転倒どころの話しではない。ドラッカーが最悪の状況というのも当然だと思う。ドラッカー名著集8 ポスト資本主義社会作者: P・F・ドラッカー,上田惇生出版社/メーカー: ダイ…

『ドラッカー365の金言』2月21日・『現代の経営』より

マネジメントの真髄がボトムアップであるというのは、一見逆説的に感じられるかもしれない。しかし、分散的な管理を機能させることが、マネジメント真骨頂であり、具体的な機能を担っている末端が臨機応変に活動できる環境を構築することが、マネジメント役…

『ドラッカー365の金言』2月20日・『すでに起こった未来』より

日本の経済発展が、マネジメントに開眼によってもたらされたと考えるドラッカーは、日本に大きな期待を持っていた。今日のような世界の状況の中で日本が本来持っていた能力を発揮するべきだというかもしれない。 今日の本文の最後の二行で述べられているマネ…

『ドラッカー365の金言』2月19日・『断絶の時代』『ポスト資本主義社会』より

企業が「イノベーションのための組織」であるという言い切りは素晴らしい。 企業には消滅することが許されている。そのことによって、社会にとっての無駄が自動的に解消される。また、赤字という警告機能が、素早い行動を促し、社会の変化に適応する能力を生…

『ドラッカー365の金言』2月18日・『ポスト資本主義社会』より

本文の中でも言っているように、成果をあげる能力を取り戻す手順は、政府だけに限らず、企業でもどのような組織でも変わりはしない。 そしてその手順として挙げられているものは、ドラッカーがいつも言ってる、「システマチックな廃棄」と「強みを伸ばす」そ…

『ドラッカー365の金言』2月17日・『産業人の未来』より

経済発展が最高の目的であるとされていた時でも、本当の意味で成功している企業には、厳然とした理念を持ち、その理念の元に組織の人々の気持ちとエネルギーを集約して、大きな成功を収めていたはずだ。そもそも、人間の本質が経済的な成功を求めているとい…

『ドラッカー365の金言』2月16日・『企業とはなにか』より

企業が経済的な成果を得るには、社会の一部として認識されて、必要とされなければならない。政府には政府の、非営利団体には非営利団体の、そして企業には企業の社会的な役割があり、それぞれの組織の形態によって必要とされる機能が違う。つまらところ、よ…

『ドラッカー365の金言』2月15日・『ポスト資本主義社会』より

1993 年にイスラム原理主義に注目しているドラッカーの慧眼は素晴らしい。さらに、近年取り沙汰されている「自己責任」という言葉にもつながる推察もある。しかし、今その「自己責任」という考え方も、揺らいでいる。ドラッカー教授はなにを言っただろうか?…

『ドラッカー365の金言』2月14日・『新しい現実』より

企業においてもカリスマ経営者というのは、長い目で見るとマイナスであることが多い。カリスマ経営者に依存した組織は、マネジメントの重要性も人や組織の成長も顧みられない。そのような組織は、厳密には組織ではなく、単なる人の集団にすぎない。カリスマ…

『ドラッカー365の金言』2月13日・『産業人の自由』より

「自由には責任が伴う」という言い方はよく聞くが、ドラッカーは自由自体が責任であるといっている。今日の本文の引用元は「産業人の自由」と題された雑誌の記事だが、産業人にとっては選択する責任、つまり、決断が肝要であり、あらゆる可能性の中から、適…

『ドラッカー365の金言』2月12日・『傍観者の時代』より

日本には今日の頁で書かれているようなことを表す「岡目八目」という言葉がある。元々は囲碁に由来する言葉で「岡目」は「傍目」とも書き、傍らから観ている方が、八目強くなるという意味ですね。囲碁でも脇からあまりとやかく言うのは関心できませんが、結…

『ドラッカー365の金言』2月11日・『新しい現実』より

今日の本文の最初の三行は暗唱できるくらいに覚えておきたい、マネジメントの基礎だ。二つ目の段落でいっていることは、単にコミュニケーションが大切だというだけではなく、なにを知りなにを伝えるべきかが明解に述べられていて、マネジメントを行なう者が…

『ドラッカー365の金言』2月10日・『イノベーションと起業家精神』『すでに起こった未来』『未来への決断』より

今日の金言では「動的な不均衡」といっているけれど、個人的には、今日の本文の内容は、一昨々年出版されてベストセラーになった『生物と無生物のあいだ』で述べられている「動的平衡」という言葉がイメージされます。 7/5 のエントリーでシュレーディンガー…

『ドラッカー365の金言』2月9日・『ポスト資本主義社会』より

本文にあるように、組織はコミュニティの中で活動し、成果をコミュニティに還元する。しかし、コミュニティはマネジメントを持ち得ないために、将来を見据えた変革を行いずらい構造になっている。だから、ドラッカーはコミュニティの価値よりも組織の論理を…

『ドラッカー365の金言』2月8日・『明日を支配するもの』より

社会は不断の変化を続けている。当然、組織もその変化に追従しなければ陳腐化してしまう。しかし、安易な追従と変革は組織の基盤をゆるがし組織の存在意義を見失わせてしまう。組織の存在意義を導き出す根幹となる理念や使命をしっかりと見据えた上で、はじ…

『ドラッカー365の金言』2月7日・『ポスト資本主義社会』より

知識を得ることは楽しいことだ。しかも、得るだけならば比較的容易に行えるので、つい知識を得ること自体が目的化してしまう。しかし、本当の楽しみは、取得した知識を現実社会に適用して、成果を挙げることだ。そのことを、忘れないためには、小さくても良…

『ドラッカー365の金言』2月6日・『グローバル経済と国民国家』より

マネジメントにおいて、国境や人種などは、制約条件ではなく管理対象にすぎない。世界的な規模で活動することがもっと効率が良いのならば世界を相手にすれば良い。そして国毎の特性を生かして、適した場所に適した事業所を設置するだけだ。全世界が対象であ…

『ドラッカー365の金言』2月5日・『ネクスト・ソサエティ』より

人口の傾向というものは、大きなうねりで、数年から数十年先の傾向が確定していて、よほどのことがなければ変化しない。 現在の日本のトレンドが若年層から中高年層にシフトしているのは、ネクスト・ソサエティがすでに到来していることを意味しているのだろ…

『ドラッカー365の金言』2月4日・『断絶の時代』より

学問が単独の分野を対象として成果をあげられる時代は世界を探求する基本を学んでいたといえる。もちろん、今でも基本的分野の研究も大切だが、より複雑な世界を探求するためには、複合した研究が必要になってきたのだろう。ようやく、実用的な研究が出来る…

『ドラッカー365の金言』2月3日・『ポスト資本主義社会』より

肉体労働のマネジメントは、人の身体能力とそれを増強する道具を対象とした。そして、知識労働のマネジメントは、人の頭脳や心の動きに対して能率を向上させるための環境やシステムを対象とする。結局、肉体労働でも知識労働でも、マネジメントの仕事は人が…

『ドラッカー365の金言』2月2日・『乱気流時代の経営』より

ドラッカーが「乱気流時代」と呼んだ時期からすでに 30 年経っている。しかし、その乱気流はまだおさまっていない。それどころか、更に複雑な気流になっているだろう。ただし、さすがに 30 年もの間、乱気流が吹き荒れていると、古い通念は吹き飛ばされてし…

『ドラッカー365の金言』2月1日・『断絶の時代』『新しい現実』『ポスト資本主義社会』より

今日の本文はドラッカー三つの著書に収められている。しかも、一番古い『断絶の時代』は 40 年前、一番新しい『ポスト資本主義社会』からも 17 年程経っている。本文の中では今回の転換は 30 年前に始まって、時代の峠を越えるのに 50 年かかるといっている…