未来への決断
人をコストと考えるのであれば、誰も雇わないことが最もコストを抑えられる。そもそも、なぜ人を雇って仕事をしてもらうのかという基本を考えれば、小学生でも理解できる理屈だ。そして、人を含む資源を有効に活用するのがマネジメントの役割だ。未来への決…
知識社会においては、知識が資本になる。つまり、いかにして知識を獲得するかということが、成果に密接につながっているということだろう。そういう意味で広義の学校は重要度を増すことになる。また、成人するまでの学校教育において誰もが身につけるべき知…
仕事に必要とされる知識は高度に専門化していく。そして、高度に専門化した知識は組織化されなければ有用に機能できない。もちろん組織を有効に活動させるのがマネジメントだろう。つまり、知識労働者にとってマネジメントが不可欠になっているということに…
ネットワークというのはノードをリンクで結んだ構造であり、リンクは自由に接続先を変えられる。各ノードの機能は変わらなくてもそれらをどうつなぎ合わせるかによってシステムの機能を柔軟に変更できる。変化の激しい現実に適応するには、ネットワークのこ…
今日の本文の冒頭で述べられている、利益の意味は、とても大切な考え方だと思う。当たり前のことだけれど、企業にとっての最も正統で妥当な評価は、その利益だといえる。もちろん、短いスパンでの利益の多少に囚われるのは良くない。しかし、長期的に安定し…
今日の本文の最後の段落は、まさに引用元のタイトルである『未来への決断』といえる。 ここ数日の頁は、eコマースという比較的最近に勃興して急速に発展した分野を取り上げていたので、後追いの形でドラッカー推察の素晴らしさを確認しているような形になっ…
世の中の変化が激しくなっていることは、きっと誰もが実感していることだろう。そして、変化に追従しているだけでは、実際にはその変化に対応することはできない。 変化が激しいということは、どこにでも変化が潜んでいるということなのだから、その変化を自…
今日の金言では「動的な不均衡」といっているけれど、個人的には、今日の本文の内容は、一昨々年出版されてベストセラーになった『生物と無生物のあいだ』で述べられている「動的平衡」という言葉がイメージされます。 7/5 のエントリーでシュレーディンガー…
限りある資源を有意義な活動に集中することこそが、成功の秘訣でありマネジメントの目的なのだと思う。そのために最初にやるべきことが無用な物を見極めることだ。今まで無批判に行なわれてきた活動は、その無用な物を見つけやすい土壌なので、容易に組織の…
今日の金言は軽妙で分かりやすくまとめられていますね。昨日のページで挙げたような大企業は、それこそ企業であることを優先したからこそ、大きな企業になったのだろう。 本文で挙げられている四つの原則は、客観的に見れば至極あたりまえのことばかりだと思…
たしかに、 現在の日本でも、トヨタ自動車やキヤノン、サントリーなど、名立たる大企業にも同族企業の例は枚挙にいとまがない。 本文では大事なことが書いていないが、それは明日のお楽しみということです。未来への決断―大転換期のサバイバル・マニュアル作…
ドラッカーが知識労働者と呼んでいる人達は、今日の頁で求められていることを実践出来ている。つまり、あらゆる労働者が知識労働者になるべきだということなのだろう。未来への決断―大転換期のサバイバル・マニュアル作者: P.F.ドラッカー,Peter F. Drucker,…
本文の引用元である『未来への決断』は 1990 年代に書かれた本だけど、その時点で、本文の冒頭にあるような価格設定が主流だったとはちょっと驚きだ。しかし、大きな組織では間違いだと分かっていることでも、従来のやり方を改変して正しい方向に向けるのに…
単純に考えても無闇に利益幅を大きくすれば、価格が上がり競争相手につけいるスキを与えると思う。現在もネットブックや単機能家電などで、本文で挙げられている例とそっくりの現象が起きている。 高付加価値という言葉を使う時には、それが成功している製品…
今日の本文で挙げられているメルクは7/1に紹介した『ビジョナリーカンパニー』でも取り上げられている。また、カリスマ性の否定と予期せぬ出来事への対応の仕方は『ビジョナリーカンパニー 2』では「第五水準のリーダーシップ」という概念の一部とされている…
前半の企業が成長するにつれて「事業の定義」が形骸化していく過程、そして体質が規律にはなりえない*1という展開は見事ですね。とても分かりやすくてあえて解釈する余地がありません。 後半の「事業の定義は……仮説である。」という規定も、明瞭で理解しやす…
マークス・アンド・スペンサーの四人は、どうして自分達を「社会革命の担い手」だと認識するに至ったのだろうか? 今日の頁の本文と AP を読むと 1920 年代半ばのマークス・アンド・スペンサーは、事業の三つの定義のバランスを崩しかけていたという風に解釈…
今日の頁で取り上げられているマークス・アンド・スペンサーの事例は、事業の三つの定義を時代に即して改変することによって、単なる流通チャンネルだった小売店が顧客になるというパラダイム・シフトを起こしたということだけど。もう一つ、プロダクト・ア…
冒頭の事業の三つの定義については、ドラッカーの著書ではないが『ビジョナリーカンパニー 2』という本の中で「三つの円」という表現で、非常に似た形の結論が導き出されている。 『ビジョナリーカンパニー 2』とその前作の『ビジョナリーカンパニー』は、実…
ここで挙げられている NPO に対する政府の対応は、いかにもありそうなストーリーだと思う。 なぜ NPO なのかについては、6/24の頁で NPO だけが都市を文明化できると言っているように、ドラッカーは NPO にかなり肩入れしている。未来への決断―大転換期のサ…