イノベーションと起業家精神

『ドラッカー365の金言』3月6日・『イノベーションと起業家精神』より

リスクおかして成功したとしても、その手法は体系化できない。どのような事業でも一度だけの成功で継続性がなければ、事業を維持することはできない。機会をとらえる体制を確立することが出来れば、あとは機会を得れば成功に結び付く。しかも機会は一度だけ…

『ドラッカー365の金言』2月10日・『イノベーションと起業家精神』『すでに起こった未来』『未来への決断』より

今日の金言では「動的な不均衡」といっているけれど、個人的には、今日の本文の内容は、一昨々年出版されてベストセラーになった『生物と無生物のあいだ』で述べられている「動的平衡」という言葉がイメージされます。 7/5 のエントリーでシュレーディンガー…

『ドラッカー365の金言』12月20日・『イノベーションと起業家精神』より

企業でも政府でも、そして NPO でさえ、社会のリソースを利用して成果を上げるべき組織は、最大化を目標にするべきではないと思う。それは社会のリソースの無駄使いに過ぎない。最大化を目的にして良いのは個人の趣味の活動だけだと思う。趣味の世界では目標…

『ドラッカー365の金言』8月24日・『イノベーションと起業家精神』より

今日の頁を最初に読んで「そりゃそうだ」と思いました。 本文で挙げられている例については、8/21のエントリや8/22のエントリで挙げた例と共通すると思う。 しかし、ニッチ戦略に限らず、成功の上にアグラをかいていては没落するということは、ドラッカーが…

『ドラッカー365の金言』8月23日・『イノベーションと起業家精神』より

今日は、本文の最初の行が全てですね。 昨日エントリーと同様に、8/21の頁と比較してみましょう……一昨日の頁の戦略と今日の頁の戦略の違いは、ターゲットが大きなシステムの一部か、市場全体かということだ。そもそも、ニッチ市場というと、こういう市場のこ…

『ドラッカー365の金言』8月22日・『イノベーションと起業家精神』より

今日の頁は、金言が全てですね。 でも、それだけではあんまりなので、昨日の頁と比較してみましょう……昨日(8/21)の頁の戦略に比べて今日の頁の戦略は、技術のアドバンテージという付加価値がある分、利益率を高くすることは出来る。しかし、利益率が高いとい…

『ドラッカー365の金言』8月21日・『イノベーションと起業家精神』より

成熟した産業の、重要だが安価な部品の生産を独占するというのは、日本の町工場でよく見られると思う。 町工場ではないし独占でもないけれど、 2007 年の新潟県中越沖地震でリケン柏崎工場が操業を停止したために、天下のトヨタ自動車の生産が完全に停止して…

『ドラッカー365の金言』8月20日・『イノベーションと起業家精神』より

価格のつけ方による戦略といえば、量産効果とか薄利多売戦略が一般的だが、これらも最初に発見された時はイノベーションだったのだと思う。比較的最近のこのてのイノベーションとして思い浮かぶのはサンリオだ。ディズニーはキャラクタを徹底的に保護して、…

『ドラッカー365の金言』8月19日・『イノベーションと起業家精神』より

行動がパターン化する。つまり、一度成功した手法は誰だってまた使いたくなるということだ。しかし、同じことを繰り返していれば、競争相手に研究の余地を与えてしまう。そんなことは、一度経験すれば理解できると思うのだが、本文で取り上げられているアメ…

『ドラッカー365の金言』8月18日・『イノベーションと起業家精神』より

全く新しい物を作ってイノベーションを起こすことは素晴らしいことで、それだけで世間に受け入れられる。しかし、世間はすぐに目新しさに慣れてしまう。そうなれば、斬新なイノベーションもあたりまえの物になって、さまざまな欲求が生まれる。イノベーショ…

『ドラッカー365の金言』8月17日・『イノベーションと起業家精神』より

リスクが大きく、失敗が許されない……こう書かれるとあまり良い方法ではないように思える。しかし、全く新しい物を生み出してイノベーションを起こすというのは、そもそも、そういうものだと思う。 後半では、アップルを例にして二番手戦略の脅威を示している…

『ドラッカー365の金言』8月16日・『イノベーションと起業家精神』より

新しいアイデアを産み出すことは誰でも出来るけれど、使えるアイデアを産むにはテクニックが必要だ。その具体的なテクニックについては、明日以降のお楽しみ……と、いうところかな。新訳 イノベーションと起業家精神〈上〉その原理と方法 (ドラッカー選書)作…

『ドラッカー365の金言』8月13日・『イノベーションと起業家精神』より

ベンチャーが倍の規模に成長するということは、創業者チームと個人的な交流のなかった人間が社内の大勢を占めるということだ。そうなる前にトップマネジメント・チームが構築されていないと、社内が混乱する危険があるのだろう。 本文の後半は、要するに適材…

『ドラッカー365の金言』8月12日・『イノベーションと起業家精神』より

今日の本文は、「利益は結果としてもたらされる」とか「最悪のケースを想定した予測」とか、ドラッカーの基本的な考え方がとてもよく現れている。8/10のエントリーにも書いたようにベンチャーとはいっても企業として稼働しはじめてしまえば、それは既に普通…

『ドラッカー365の金言』8月11日・『イノベーションと起業家精神』より

目の前に、面白くてたまらない仕事が山積みの状態で、現実的な金勘定のことを考えるのは至難の技だと思う。ベンチャーを起こす時には、知り合いの中で一番現実的な人を予め財務担当として雇っておいた方が良いかもしれない。新訳 イノベーションと起業家精神…

『ドラッカー365の金言』8月10日・『イノベーションと起業家精神』より

今日の金言は、ベンチャーに限らず、あらゆる事業に対するまさに金言だと思う。けれど、やはりベンチャーの創業直後には、特に重要な意味がある。 ベンチャーというのは、市場の中の隠れたニーズを掘り起こすことを事業の種とするので、その時点では顧客以上…

『ドラッカー365の金言』8月6日・『イノベーションと起業家精神』より

思いもしなかった買われ方を前提にしろという条件は、無茶なことを言っているようだが……。 マーフィーの法則*1の発展形の第八法則に『バカヨケは作れない。なぜなら、バカは思いもよらないことを考え出すからだ。』*2というものがある。当たり前の物を非常に…

『ドラッカー365の金言』8月4日・『イノベーションと起業家精神』より

今日の金言も、素晴らしく分かりやすい表現で感服しました。ドラッカーの比喩は本当にイメージが豊かでストンと腑に落ちます。 ちなみに、本文で取り上げられている三つの企業はいずれもビジョナリーカンパニーです。イノベーションと企業家精神 (ドラッカー…

『ドラッカー365の金言』7月29日・『イノベーションと起業家精神』より

新規事業の資金のことを、投資と呼ぶことが多い。しかし、投資と言ってしまうと、つい「伸るか反るか」という感覚が生まれてしまって、管理が甘くなるような気がする。それではいけないとドラッカーは言っているのだろう。 マネジメントの基本は管理サイクル…

『ドラッカー365の金言』7月22日・『イノベーションと起業家精神』より

明確な使命というのは本当に大切なものだと思う。 また、現実的な目標を計画的に達成することは、組織の有効性を確認するためにとても重要なことだろう。「目標は高いほどいい」と無邪気に考えている人がいるけれど、達成できない目標は無意味なだけでなく、…

『ドラッカー365の金言』7月21日・『イノベーションと起業家精神』より

今日の頁の本文で言っていることはちょっと悲観的に見える。社会的機関が官僚的なのは昔も今も変わっていないし、もちろん、官僚的だからこそ起業家の精神が必要だ、ということなのだとは思うけど、それにしてもドラッカーらしい前向きさがあまり感じられな…

『ドラッカー365の金言』7月20日・『イノベーションと起業家精神』より

発明発見というのは種にすぎないので、リードタイムが長いというのはうなずける。 発明発見はセンセーショナルなので、多くの人が群がるというのもよく分かる。しかし、そこで集まってくる人達はある意味ミーハーなので、最初に躓いてしまうとあっという間に…

『ドラッカー365の金言』7月19日・『イノベーションと起業家精神』より

本文冒頭のコップの話は、よく話されるたとえ話だけど、ドラッカーはここでも一般とはちょっと違った使い方をしている。一般的にはこのコップのたとえ話は、コップの水を見ている立場に立って、見方を変えることで考え方が変わり行動が変えられる。という意…

『ドラッカー365の金言』7月18日・『イノベーションと起業家精神』より

「信頼性の高い機会」という言い方は面白いですね。 機会とかチャンスというのは、つい、偶然とか、天から降ってくるもの、という風に考えてしまうけれど、ドラッカーはそんな甘い考えを認めず、決して不確かなものではなく、自分で見つけ出すべきものだ。と…

『ドラッカー365の金言』7月17日・『イノベーションと起業家精神』より

今日の本文を読むと、変化が急であることが問題というよりは、変化に気付かない、あるいは気付いても行動しないことが、問題だと言っているように思える。 どのようなシステムでも、その内側に居ると変化に気付きにくい。よく「他人の子供はすぐに大きくなる…

『ドラッカー365の金言』7月16日・『イノベーションと起業家精神』より

今日の頁を最初に読んだ時に、昨日の頁で述べられていることとの違いが感じられませんでした。 ニーズとギャップの違いは何なのだろうか……昨日の頁と今日の頁を見比べてみると、ギャップはユーザは気付いているけど提供する側が気付いていない欲求で、ニーズ…

『ドラッカー365の金言』7月15日・『イノベーションと起業家精神』より

ギャップの発見がチャンスであるというのは、とてもよく聞く話だけど、そのギャップをどうやって見つけるかが問題。 本文では、「ときとして」と書かれているけれど、ギャップ自体は常に存在するような気がする。ただ、イノベーションといえるほどの大きな変…

『ドラッカー365の金言』7月14日・『イノベーションと起業家精神』より

今日の頁で述べられていることは、いわゆる「失敗から学ぶ」ということではないと思う。もちろん失敗から学ぶことも必要だけれど、ドラッカーはいつも過去ではなくて未来を見ている。 つまり、失敗には過去の不徳の結果としての失敗と、ドラッカーがよくいう…

『ドラッカー365の金言』7月13日・『イノベーションと起業家精神』より

本文の一行目で「予期せぬことが……先入感をつき崩す」と言っているのに、その二行後に、過去の成功体験*1によって「ほとんど無視される」と、書いてある。 今日の頁で取り上げられている鉄鋼メーカーのトップは、「予期せぬ成功」を無視しているというよりも…

『ドラッカー365の金言』7月12日・『イノベーションと起業家精神』より

今日の金言はなんだか妙に詩的で、最初はなにを言いたいか分かりづらいですね。 一方、本文は、七つの機会を列挙して、最後に、それらは一見別々の事象に見えるけれども、本当は相互に関連している、と、非常に簡潔に要点を述べているだけで、抽象的な金言の…