すでに起こった未来

『ドラッカー365の金言』5月31日・『すでに起こった未来』より

経済学が社会の中における富についての学問であるならば、現在の社会で富を創出する源泉である知識についての学問であるともいえる。 今日の本文でも述べられているように、単純な収支を基準にしていると、イノベーションや生産性を見落としてしまう。そして…

『ドラッカー365の金言』5月21日・『すでに起こった未来』より

今日の頁で挙げられている「サービス労働」はいわゆるサービス業というよりも、単純な事務作業という意味だと思う。そして、そのような作業の効率化は、かつての生産部門の効率化の手法が利用出来る。本文の最後で述べられているように最優先の課題であり、…

『ドラッカー365の金言』4月28日・『すでに起こった未来』より

西洋の倫理感は「原則主義」に寄りがちな所があると思う。その中では、今日の本文で挙げられているような決疑論的な話は、意識的に語られないと忘れられやすいのだろう。逆に日本人には、決疑論的な考え方のほうが馴染みやすい。落語や講談、歌舞伎などの古…

『ドラッカー365の金言』4月27日・『すでに起こった未来』より

今日の頁は、明日の頁に向けての前提を挙げているだけなので、解釈のしようがありません。敢えて何かを述べると、今日の本文でドラッカーは、「西洋の基本公理」とか「キリスト教の伝統」といった例を挙げて、提議を明確にしているけれども、たしかに西洋の…

『ドラッカー365の金言』3月18日・『すでに起こった未来』より

今日の金言はこれだけを読むと誤解を産む表現かもしれない。しかしこの表現は、利益が目的ではなく、あくまでも目的を達成するために必要な糧であるということを明確にするための表現なのだと思う。つまり、組織が達成するべきミッションを遂行するためには…

『ドラッカー365の金言』3月15日・『すでに起こった未来』『明日を支配するもの』より

今日の本文では、たった六行の本文の中に「価値観」という言葉を最初と最後の行で使っている。本文上では短期の利益と長期の成長の両立は難しいと書いている。しかし、それを両立してこそマネジメントの価値があり、それを行なうためには価値観、すなわちビ…

『ドラッカー365の金言』3月9日・『現代の経営』『すでに起こった未来』『未来への決断』『明日を支配するもの』より

世の中の変化が激しくなっていることは、きっと誰もが実感していることだろう。そして、変化に追従しているだけでは、実際にはその変化に対応することはできない。 変化が激しいということは、どこにでも変化が潜んでいるということなのだから、その変化を自…

『ドラッカー365の金言』2月20日・『すでに起こった未来』より

日本の経済発展が、マネジメントに開眼によってもたらされたと考えるドラッカーは、日本に大きな期待を持っていた。今日のような世界の状況の中で日本が本来持っていた能力を発揮するべきだというかもしれない。 今日の本文の最後の二行で述べられているマネ…

『ドラッカー365の金言』2月10日・『イノベーションと起業家精神』『すでに起こった未来』『未来への決断』より

今日の金言では「動的な不均衡」といっているけれど、個人的には、今日の本文の内容は、一昨々年出版されてベストセラーになった『生物と無生物のあいだ』で述べられている「動的平衡」という言葉がイメージされます。 7/5 のエントリーでシュレーディンガー…

『ドラッカー365の金言』1月26日・『すでに起こった未来』より

今日の頁は、この本の中では比較的長いが、それでもたった一頁の中に、ドラッカーの考え方の基本が凝縮してある。「マネジメント」「組織社会」「知識労働者」という基本となるキーワードの関連性が簡潔に書かれている。そして、「継続と変革」とは「創造的…

『ドラッカー365の金言』1月22日・『すでに起こった未来』より

経済活動といっても、人の行動の結果といえる。また、経済は人の活動の一部にすぎないが、人の様々な活動に影響を受ける。受動的な部分から全体の流れを想像するよりも、能動的な全体からものを考える方が分かりやすい。すでに起こった未来―変化を読む眼作者…

『ドラッカー365の金言』1月21日・『すでに起こった未来』より

世の中は常に変化している。変化しているからこそ、イノベーションが可能になる。自分が滞まっていても、誰かがイノベーションを起こす。だから、あらゆる事業は出来上がった途端に陳腐化しはじめる。いやむしろ、出来上がる前から陳腐化しはじめるといった…

『ドラッカー365の金言』1月17日・『すでに起こった未来』より

企業であろうと非営利的組織であろうと、マネジメントの根本は変わらない。組織の使命を自覚すること、目標を持って行動し、ふりかえりを行なうこと、また、活動の価値を評価して、無駄な活動を切り捨てることなどは、どのような組織にも必要なことで、組織…

『ドラッカー365の金言』1月2日・『断絶の時代』『すでに起こった未来』より

今日の金言に挙げられている「すでに起こった未来」という言葉は、今日の頁の引用元の書籍のタイトルにもなっているが、ドラッカーが繰り返し述べている重要なキーワードの一つだ。 歴史に学ぶということと、変化の兆が現れているということは、既に変化が起…

『ドラッカー365の金言』12月25日・『すでに起こった未来』より

強調の金言は、信仰を持たない筆者でも、なるほどそうなのだろうな、と思います。 本文では信仰と全体主義を対比させているけれど、信仰を利用すると、簡単に全体主義を作り上げることができることも、忘れてはいけないと思う。すでに起こった未来―変化を読…

『ドラッカー365の金言』12月24日・『「経済人」の終わり』『すでに起こった未来』より

本文中で述べられている「人の実存を社会における実存とする」という考え方は、群を作る動物や、太古の人類には当てはまっているように思う。しかし、人間は精神を発達させ過ぎてしまったために、個体としての実存を求める様になってしまったのかもしれない…

『ドラッカー365の金言』12月21日・『すでに起こった未来』より

今日の金言に挙げられているように、二面性がある事柄では、その二つの事象のバランスを取ることが肝要だろう。大抵の場合はどちらかの面が強調され過ぎている。そして、著しくバランスが崩れた情態が続くと重大な問題が発生して、逆の面が急激に強調されて…

『ドラッカー365の金言』12月1日・『すでに起こ

「社会生態学」というのはドラッカーが作った言葉だ。「社会学」ではなくて「社会」の「生態学」したのは、今現在生きている社会を観察して、動的に今何が起き、また起ろうとしているかを考えるという意味ではないかと思う。 さて、今日の頁ですが、金言に集…

『ドラッカー365の金言』11月17日・『すでに起こった未来』より

定量化というのは客観的な評価規準が定められるということだ。しかし、真にエポック・メイキングとなりうる事象には、客観的な規準などあるはずがない。 本文でドラッカーが言っているように、本当に画期的な事象は、ものの見え方が変わってしまうのだから、…

『ドラッカー365の金言』8月8日・『すでに起こった未来』より

今日の本文で挙げられているような、国家的あるは国際的な大規模プロジェクトでなくても、なにを成すべきかが明確なプロジェクトには、シュタインメッツの技術指向科学という考え方が有効なのではないかと思う。 なにを成すべきかが明確、ということについて…

『ドラッカー365の金言』8月7日・『すでに起こった未来』より

1905 年当時は、技術を指向する科学研究という発想自体が斬新だったのだろうけど、現在では大学の研究室でさえ企業と連携して製品開発をしていたりする。そう考えると、シュタインメッツの考え方が広く普及しているといえるのだろう。 もう一つの目的である…