2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『ドラッカー365の金言』8月31日・『創生の時』より

8/28 以来ドラッカーの考えの核心に触れるような頁が続きました。そして、今日はその完結編ともいうべき頁です。 今日の金言、そして本文後半の段落はマネジメントの真髄を述べていると思います。創生の時―往復書簡〈2〉 (往復書簡 (2))作者: P・F.ドラッカ…

『ドラッカー365の金言』8月30日・『心の出会い』より

昨日、一昨日に引き続き、今日の頁もやはりドラッカーの考えの核心です*1。 予期せぬことに注目するためには、事前の計画が重要だと思う。十分に練られた計画に対して、結果にズレが生じていれば、それが注目すべき「予期せぬこと」になるだろう。逆に計画に…

『ドラッカー365の金言』8月29日・『心の出会い』より

昨日の頁に引き続き、ドラッカーの考えの核心ともいえる重要なことが書かれていますね。 本文の冒頭で SONY のことが取り上げられていますが、たしかにこの通りだと思います*1。僕自身も SONY (東京通信工業株式会社)の設立趣意書の中で「会社設立の目的」の…

『ドラッカー365の金言』8月28日・『マネジメント』より

今日の本文の最初の二行で述べられていることは、金言でいっていることと同じくらい明らかなのに、なかなか気付くことができない。 マネジメントを行なうならば、今日の金言と本文の五、六行目を並べて紙に書いて、トイレの壁にでも貼っておくべきだと思う。…

『ドラッカー365の金言』8月27日・『状況への挑戦』より

チャーリー社の戦略は 8/21 の頁の戦略と、 8/23 の頁の戦略そのものだ。しかも、開発費用を最低限に押さえる工夫を加えているために、前述の二つの戦略が最大限に機能している。状況への挑戦―実践マネジメント・ケース50 (1978年)作者: 久野桂,P.F.ドラッカ…

『ドラッカー365の金言』8月26日・『状況への挑戦』より

ベイカー社の戦略の半分は 8/18 の頁の戦略の応用といえる。そして、もう半分の戦略はとても巧い戦略だと思う。本文には、この戦略によって二つの利益をもたらしていると書いてあるが、特に二つ目のメリットは、膨大な広告宣伝費をついやしても得られないよ…

『ドラッカー365の金言』8月25日・『状況への挑戦』より

エイブル社の戦略は 8/17 の頁の戦略を企業の中の一分野として適用した事例ということだろう。 ドラッカーは「強みに集中せよ」というが、この戦略は強みを創造している、ともいえる。状況への挑戦―実践マネジメント・ケース50 (1978年)作者: 久野桂,P.F.ド…

『ドラッカー365の金言』8月24日・『イノベーションと起業家精神』より

今日の頁を最初に読んで「そりゃそうだ」と思いました。 本文で挙げられている例については、8/21のエントリや8/22のエントリで挙げた例と共通すると思う。 しかし、ニッチ戦略に限らず、成功の上にアグラをかいていては没落するということは、ドラッカーが…

『ドラッカー365の金言』8月23日・『イノベーションと起業家精神』より

今日は、本文の最初の行が全てですね。 昨日エントリーと同様に、8/21の頁と比較してみましょう……一昨日の頁の戦略と今日の頁の戦略の違いは、ターゲットが大きなシステムの一部か、市場全体かということだ。そもそも、ニッチ市場というと、こういう市場のこ…

『ドラッカー365の金言』8月22日・『イノベーションと起業家精神』より

今日の頁は、金言が全てですね。 でも、それだけではあんまりなので、昨日の頁と比較してみましょう……昨日(8/21)の頁の戦略に比べて今日の頁の戦略は、技術のアドバンテージという付加価値がある分、利益率を高くすることは出来る。しかし、利益率が高いとい…

『ドラッカー365の金言』8月21日・『イノベーションと起業家精神』より

成熟した産業の、重要だが安価な部品の生産を独占するというのは、日本の町工場でよく見られると思う。 町工場ではないし独占でもないけれど、 2007 年の新潟県中越沖地震でリケン柏崎工場が操業を停止したために、天下のトヨタ自動車の生産が完全に停止して…

『ドラッカー365の金言』8月20日・『イノベーションと起業家精神』より

価格のつけ方による戦略といえば、量産効果とか薄利多売戦略が一般的だが、これらも最初に発見された時はイノベーションだったのだと思う。比較的最近のこのてのイノベーションとして思い浮かぶのはサンリオだ。ディズニーはキャラクタを徹底的に保護して、…

『ドラッカー365の金言』8月19日・『イノベーションと起業家精神』より

行動がパターン化する。つまり、一度成功した手法は誰だってまた使いたくなるということだ。しかし、同じことを繰り返していれば、競争相手に研究の余地を与えてしまう。そんなことは、一度経験すれば理解できると思うのだが、本文で取り上げられているアメ…

『ドラッカー365の金言』8月18日・『イノベーションと起業家精神』より

全く新しい物を作ってイノベーションを起こすことは素晴らしいことで、それだけで世間に受け入れられる。しかし、世間はすぐに目新しさに慣れてしまう。そうなれば、斬新なイノベーションもあたりまえの物になって、さまざまな欲求が生まれる。イノベーショ…

『ドラッカー365の金言』8月17日・『イノベーションと起業家精神』より

リスクが大きく、失敗が許されない……こう書かれるとあまり良い方法ではないように思える。しかし、全く新しい物を生み出してイノベーションを起こすというのは、そもそも、そういうものだと思う。 後半では、アップルを例にして二番手戦略の脅威を示している…

『ドラッカー365の金言』8月16日・『イノベーションと起業家精神』より

新しいアイデアを産み出すことは誰でも出来るけれど、使えるアイデアを産むにはテクニックが必要だ。その具体的なテクニックについては、明日以降のお楽しみ……と、いうところかな。新訳 イノベーションと起業家精神〈上〉その原理と方法 (ドラッカー選書)作…

『ドラッカー365の金言』8月15日・『創造する経営者』より

昨日(8/14)の頁が 7/12 の頁と似ているのと同様に、今日の頁は 7/13 の頁ととてもよく似ている。さらに 7/15、7/17 の頁で述べられている事柄も含まれていると思う。*1 成功体験はそれが成功していればいるほど、その方法が最も正しい方法だと人に思い込ませ…

『ドラッカー365の金言』8月14日・『創造する経営者』より

今日の金言は 7/12 の金言と、とてもよく似ていると思う。ただし、本文の内容は 7/12 の頁は外側に向いているのに対して、今日の頁は、自らの組織の内側に目を向けている。 比較的最近のドラッカーは外側に目を向けることをより重要視しているが、組織の改革…

『ドラッカー365の金言』8月13日・『イノベーションと起業家精神』より

ベンチャーが倍の規模に成長するということは、創業者チームと個人的な交流のなかった人間が社内の大勢を占めるということだ。そうなる前にトップマネジメント・チームが構築されていないと、社内が混乱する危険があるのだろう。 本文の後半は、要するに適材…

『ドラッカー365の金言』8月12日・『イノベーションと起業家精神』より

今日の本文は、「利益は結果としてもたらされる」とか「最悪のケースを想定した予測」とか、ドラッカーの基本的な考え方がとてもよく現れている。8/10のエントリーにも書いたようにベンチャーとはいっても企業として稼働しはじめてしまえば、それは既に普通…

『ドラッカー365の金言』8月11日・『イノベーションと起業家精神』より

目の前に、面白くてたまらない仕事が山積みの状態で、現実的な金勘定のことを考えるのは至難の技だと思う。ベンチャーを起こす時には、知り合いの中で一番現実的な人を予め財務担当として雇っておいた方が良いかもしれない。新訳 イノベーションと起業家精神…

『ドラッカー365の金言』8月10日・『イノベーションと起業家精神』より

今日の金言は、ベンチャーに限らず、あらゆる事業に対するまさに金言だと思う。けれど、やはりベンチャーの創業直後には、特に重要な意味がある。 ベンチャーというのは、市場の中の隠れたニーズを掘り起こすことを事業の種とするので、その時点では顧客以上…

『ドラッカー365の金言』8月9日・『ネクスト・ソサエティ』より

今日の本文では、企業研究所は陳腐化したといっているが、8/7のエントリーで挙げた、パロアルト研究所や SONY の CSL はまだ陳腐化していないと思う。考えてみると、この二つの研究所はどちらも情報技術を研究している。情報産業においては企業研究所の役割…

『ドラッカー365の金言』8月8日・『すでに起こった未来』より

今日の本文で挙げられているような、国家的あるは国際的な大規模プロジェクトでなくても、なにを成すべきかが明確なプロジェクトには、シュタインメッツの技術指向科学という考え方が有効なのではないかと思う。 なにを成すべきかが明確、ということについて…

『ドラッカー365の金言』8月7日・『すでに起こった未来』より

1905 年当時は、技術を指向する科学研究という発想自体が斬新だったのだろうけど、現在では大学の研究室でさえ企業と連携して製品開発をしていたりする。そう考えると、シュタインメッツの考え方が広く普及しているといえるのだろう。 もう一つの目的である…

『ドラッカー365の金言』8月6日・『イノベーションと起業家精神』より

思いもしなかった買われ方を前提にしろという条件は、無茶なことを言っているようだが……。 マーフィーの法則*1の発展形の第八法則に『バカヨケは作れない。なぜなら、バカは思いもよらないことを考え出すからだ。』*2というものがある。当たり前の物を非常に…

『ドラッカー365の金言』8月5日・『未来企業』より

今日の金言は、もちろん言葉通りに受け取ってもいいけれど、その裏には、成功にアグラをかかないとか、たゆみないイノベーションへの意欲という事柄が含まれていると思う。未来企業―生き残る組織の条件作者: P.F.ドラッカー,Peter F. Drucker,上田惇生,田代…

『ドラッカー365の金言』8月4日・『イノベーションと起業家精神』より

今日の金言も、素晴らしく分かりやすい表現で感服しました。ドラッカーの比喩は本当にイメージが豊かでストンと腑に落ちます。 ちなみに、本文で取り上げられている三つの企業はいずれもビジョナリーカンパニーです。イノベーションと企業家精神 (ドラッカー…

『ドラッカー365の金言』8月3日・『マネジメント』『乱気流時代の経営』より

前半は、組織の規模は、大き過ぎてもいけないし、かといって小さ過ぎては生き残っていけない。と、いっている。まあこれは、至極当たり前の話だ。 また後半では、組織の規模を拡大することは、無条件に良いことだと思いがちだけど、かえって害になる拡大もあ…

『ドラッカー365の金言』8月2日・『マネジメント』より

本文前半の、規模の誤りについての説明はとても分かりやすい。肥大化した無駄な部分が単に無駄なだけではなく、優良な部門以上に労力や資金を吸い取るということを、肝に銘じておくべきだろう。強みに集中するということの大切さを、逆の面から説いている。 …