『ドラッカー365の金言』8月21日・『イノベーションと起業家精神』より

 成熟した産業の、重要だが安価な部品の生産を独占するというのは、日本の町工場でよく見られると思う。
 町工場ではないし独占でもないけれど、 2007 年の新潟県中越沖地震でリケン柏崎工場が操業を停止したために、天下のトヨタ自動車の生産が完全に停止してしまった例は、これに近い状態だといえる。
 ただし、独占していたとしても、その部品の生産にだけ特化してしまうと、システム全体が大幅に変革して、その部品が不要になったときに困ったことになる。前述のリケンで供給していた重要部品はピストンリングなので、今後もしトヨタが電気自動車や燃料電池車を主流にするようなことになったらリケンはどうするのだろう?*1

*1:幸いトヨタハイブリッド車を最初に世に出したという成功体験があるので、そう簡単にはハイブリッド車から手をひかないと思うので(トヨタの経営者がドラッカーの本を読んでいるとその限りではないけれど)、まだ時間は充分にある。