2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『ドラッカー365の金言』10月31日・『非営利組織の経営』より

NPO の理事に限らず組織を代表して権利を行使する人々は、その組織の意識を具現化する存在だと思う。そして、組織はそこに所属する人々の能力を集約して使命を達成するための仕組みだ。 だから、組織の代表者は組織の使命を達成するための責任を負うことにな…

『ドラッカー365の金言』10月30日・『非営利組織の経営』より

NPO に限らずあらゆる組織には、使命と理念が不可欠である。そして、その使命や理念を守り続けることは、時として組織そのものの存続よりも大切なことだとすら思う。 そして NPO の主要な資金源は本来募金であるべきだと思う。募金や公共団体、公的金融機関…

『ドラッカー365の金言』10月29日・『非営利組織の経営』より

代価を払ってもらうということは、サービスを受ける側のコミットメントを得るということだ。そして同時に、提供する側の意識を切り替える。代価を要求することは責任を請け負うということだから、提供する側の真剣さを否応なしに引き出すことになる。 提供す…

『ドラッカー365の金言』10月28日・『乱気流時代の経営』より

昭和の頃の日本企業は、顧客以外のステイクホルダーに対して、非常に上手な政治的対応をしていたと思う。例えば従業員に対する終身雇用制度や年功序列制度、下請けに対する長期の取引条件化、メインバンクなど、どれもステイクホルダーを囲い込む仕組みで、…

『ドラッカー365の金言』10月27日・『新しい現実』より

自らの経験や知識を資本とする知識労働者は、基本的に政治や組織に対して独立した存在だといえる。 医薬品メーカのメルクでは、開発チームには予算を割り当てず、研究者に予算を配分する。開発チームのリーダはチームに必要な人員を説得してチームに参加して…

『ドラッカー365の金言』10月26日・『マネジメント・フロンティア』より

マネジメント心おきなく力を発揮するためには、労働組合に限らずフィードバックの機構が重要だと思う。 マルセイバターサンドで有名な六花亭製菓には、「一人一日一情報制度」というものがあり、社長は毎朝三時間をかけて 600 通の投稿全てに目を通し、内容…

『ドラッカー365の金言』10月25日・『断絶の時代』『新しい現実』より

今日の本文で述べられている、「環境の破壊をともなって生産された財の貿易を禁ずる」という考え方の実装のひとつが、カーボン・フットプリントだろう。ドラッカーのいっていることに比べればとても弱い方法ではあるが、世の中がやっと追い付いて来ていると…

『ドラッカー365の金言』10月24日・『断絶の時代』より

昨日、一昨日の頁で、政府の役割は意志決定であり、実行部分は民営化するべきだと述べられている。そして、そのような役割分担は企業では分権として実現しているとされている。 そして、今日の頁では政府の役割は作曲家や指揮者のようであり、楽器の特性を活…

『ドラッカー365の金言』10月23日・『断絶の時代』より

今日の頁の内容は、昨日の頁のつづきですね。 政府にとって、昨日の頁で必要だとされた「分権」を実現する手段が民営化であり、民営化を促進することで、政府の本来の役割である意識決定の能力が高まる。要するに、比較的最近、取り沙汰されている「小さな政…

『ドラッカー365の金言』10月22日・『断絶の時代』より

今日の本文では、政府の役割は意志決定にあり、統治と実行を分けるべきだとしている。そして、企業はその答えを見つけたといっている。しかし、引用元が書かれてから半世紀近く経った現在でも分権が成立していない企業も多いように思う。 国の行政に不満を感…

[ポスト資本主義社会『ドラッカー365の金言』10月21日・『ポスト資本主義社会』より

今日の本文で一番重要な部分は最後の一文だろう。これは恐らくインターネットの普及によって、情報や資源を個人が所持できるようになり、巨大国家から本来の主役である国民国家への変化が始まったということだと思う。ポスト資本主義社会―21世紀の組織と人間…

『ドラッカー365の金言』10月20日・『企業とは何か』より

「支配欲の発現としてましである」ということは確かに必要だ。むしろ、支配欲を人でなく物に向けられるということは重要なことだと思う。そういう方法を発見できたということは、人類にとって好運だったのかもしれない。企業とは何か作者: P.F.ドラッカー,上…

『ドラッカー365の金言』10月19日・『ネクスト・ソサエティ』より

一元的な価値規準は、環境にはまると爆発的な発展を遂げるが、その分、環境の変化に追従できず脆いという面を合わせ持つ。 今日の金言に挙げられているようなことをしてしまうトップは、組織の内部に対しても外部に対しても、感性が鈍いのだと思う。そのよう…

『ドラッカー365の金言』10月18日・『「経済人」の終わり』より

本文冒頭の文を読むと、違和感を感じる。資本主義というのは、そういう不穏当な部分を持つシステムだということだ。そして、その不穏当な部分が露呈したのが金融危機なのだと思う。 6/24 の頁にもあるように、ドラッカーは 21 世紀には NPO 爆発的成長が必要…

『ドラッカー365の金言』10月17日・『「経済人」の終わり』より

正直いって宗教のことは良く分かりません。 本文を読むと、現在の少なくともキリスト教は、社会においての良心であり、また、そのために政治勢力や社会勢力にはなりえないと書いてある。もしそうであるならば、個人的には健全な状態ではないか思う。「経済人…

『ドラッカー365の金言』10月16日・『産業人の未来』より

今日の本文は、いきなり哲学用語が出てきたり、内容もマネジメントというよりは社会学のような話しになっていますね。しかし、「決定的な権力」というものは、少なくとも現在の日本においては、社会よりはむしろ組織の中に存在するように思う。つまり、トッ…

『ドラッカー365の金言』10月15日・『マネジメント』より

今日の本文は、ドラッカーにしてはちょっと抽象的な表現に見える。低くかつ高く……禅問答のようにすら感じられます。しかし、これは両方を同時に考えるというわけではなく、順番に考えれば良いのだと思う。 低いレベルの意思決定とは、現場で起こっていること…

『ドラッカー365の金言』10月14日・『経営者の条件』より

最近、デミング・サークル*1がはやりらしい。プロジェクト・ファシリテーションでよくいわれる KPT (ケプト)とか、アジャイルソフトウェア開発のイテレーションも、どれもフィードバックを促す仕組みだ。 本文でドラッカーも「いかに多くを、いかに早く学べ…

『ドラッカー365の金言』10月13日・『経営者の条件』より

意思決定に限らずマネジメントの良否はフィードバックの質によって左右されると思う。質の良いフィードバックを得るためには、相手の存在や活動を認めることが大切だろう。 コーチングでは、アクノリッジメント(Acknowledgement)と呼んで、承認を与えること…

『ドラッカー365の金言』10月12日・『マネジメント』より

人は自分で納得したことしか実行することができない。コーチングにおいては行動する内容は必ず実行する当人、つまり、クライアント自身に決めさせる。コーチが実行する内容を提案することもあるが、その場合でも、クライアントがそれを選ぶという形で当人に…

『ドラッカー365の金言』10月11日・『経営者の条件』より

問題提起やそれに伴う意思決定を行なう時に、今日の本文に挙げられている三つの問いかけを再確認することを習慣化すべきだと思う。そうすることさえできれば、本文の最後にあるように、問題の解決は容易だろう。ドラッカー名著集1 経営者の条件作者: P.F.ド…

『ドラッカー365の金言』10月10日・『経営者の条件』より

問題提起が間違っていたとしても、一旦方針として決定されてしまって、その問題の解決に向かって動き出してしまえば、それを止めることは難しい。課題が与えられれば誰でも、その課題を克服するために全力を尽くして取り組む。現在取り組んでいる問題の存在…

『ドラッカー365の金言』10月9日・『経営者の条件』より

本文で挙げられている四つの分類のうち、第一分類は本文にも対処方法が書いてあるし、難しいこともあまりない。そして、第二と第四の分類は、第三分類を適切に処置していれば自ずと解決するはずだ。 第三分類の処置で重要なことは、その経緯を記録して後から…

『ドラッカー365の金言』10月8日・『経営者の条件』より

意思決定を手術に例えるのはとても分かりやすくて良いですね。 外科医がとる途として挙げられている第一と第二のケースは、実際の医師が行なうように慎重に検査したうえで判断したのであれば、行動は分かりやすい。最も多いケースとして挙げられている第三の…

『ドラッカー365の金言』10月7日・『経営者の条件』より

今日の本文で挙げられている、六つのステップの各々が省かれた状態とはどういうことだろうか。 第一のステップが省かれるということは、時期を逸するということだ。組織の内外の情報に注意を怠ると勇み足や手遅れとなって、意思決定自体がかえって害になる。…

『ドラッカー365の金言』10月6日・『マネジメント』より

人間が使う言葉というものはとても不完全なものなので、誰かの提案を一度か二度聞いただけで全員が同じように理解していると考えるのは危険だ。そこで、異なる見解を衝突させて問題の中身を曝け出す必要があるのだと思う。 素粒子物理学で粒子加速器を使って…

『ドラッカー365の金言』10月5日・『経営者の条件』より

組織の意志決定に限らず、個人の行動でも決めるだけでは人は行動できない。さらに、他人に決められたことは、なおさら難しい。コーチングでは、クライアントが行動を起せるようにするためには、クライアント自身が決めたうえで、具体的な行動計画にまで掘り…

『ドラッカー365の金言』10月4日・『経営者の条件』より

妥協するのは良くない。とはよくいうけれど、正しい妥協という観点はとても現実的でドラッカーらしい。そもそも、マネジメントの行なうべきことの一つが、相反する物事の調整やバランスなのだから、正しい妥協をすることは大切なのだろう。 今日の本文で挙げ…

『ドラッカー365の金言』10月3日・『経営者の条件』より

今日の金言に挙げられている言葉は、いわれれば至極当然のことに思える。しかし、日々の仕事に没入していると、こういう大切なことを忘れてしまう。だからドラッカーは「ネオン・サインにして……」とまで書いているのだろう。 それにしても、ネオン・サイン*1…

『ドラッカー365の金言』10月2日・『経営者の条件』より

今日の頁で述べられていることは、『経営者に贈る5つの質問』の筆頭に挙げられている「われわれのミッションは何か?」という問いに通ずると思う。また、この blog で何度か取り上げている『ビジョナリーカンパニー』でもビジョナリーカンパニーの最も重要な…