『ドラッカー365の金言』7月20日・『イノベーションと起業家精神』より

 発明発見というのは種にすぎないので、リードタイムが長いというのはうなずける。

 発明発見はセンセーショナルなので、多くの人が群がるというのもよく分かる。しかし、そこで集まってくる人達はある意味ミーハーなので、最初に躓いてしまうとあっという間に見限られてしまうのだろう。

 最後に延べられているアイデアというのは、なにを指すのだろうか……昨日までの七日間と今日の本文の前半に挙げられた機会は*1、どれも、すでに起こったことをヒントにして、イノベーションの切っ掛けにしている。それに対して、アイデアは今までにない全く新しい思いつきで、すでに起こったことを直接の切っ掛けにはしていない。しかし、そのような全く新しい思いつきなどというものは、それを期待できるほど頻繁に起こることではないので、あくまでも付録だといっているのだろう。そんなものに期待するよりも、すでに起こったことで見落とされていることが沢山あるということが、この一週間(と半頁)で提示されていたわけだ。そして、真に新しい発想であれば、それは高く評価されなければならない、ということだろう。

イノベーションと企業家精神 (ドラッカー名著集)

イノベーションと企業家精神 (ドラッカー名著集)

*1:7/12 の頁で挙げられたイノベーションの機会は七つで、今日の前半で述べられている発明発見が七つ目にあたるので、数が合わないけれど、最初の「予期せぬこと」が成功と失敗に分かれていたので、全部で八つになる。