第二話 みなみはマーケティングに取り組んだ
第二話のテーマは『マーケティング』ですね。
ドラッカーの言う『マーケティング』とは、番組の中で、みなみが読みあげていたように、「顧客はなにを買いたいかを問う」ということに尽きます。
『イノベーションと起業家精神』の中では「事業の目的は顧客を変えることではないという。マーケティングの基本を受け入れなければならない。」という言い方をしています。企業やその他の組織は、自分達が作る製品やサービスに自信を持っているがゆえに、それを顧客に押しつけてしまいがちです。しかし、それは顧客を変えることであり、本当に顧客の求めているものを提供できなくなってしまいます。ドラッカーの言う『マーケティング』を正しく実践できれば、製品やサービスを売るのではなく、顧客が望む……つまり、売れるものを作り出すことができるようになるはずです。
また『経営者に贈る5つの質問』では、マーケティングという言葉は使われていませんが、「顧客にとっての価値は何か?」という問いがあります。そしてこの質問が「『5 つの質問 』の中でも際立って重要である。」と書かれています。さらに、「答えを想像してはならない。必ず、直接答えを得なければならない。」と書かれているのです。みなみ達は「野球部員」という顧客に対して、まさにこれを実践したわけですね。
最後に、今回の話しを見ていて感じたのは、夕紀はとても優秀なマネージャだということですね。いわゆる「女子マネージャ」という意味ではなく、ドラッカーの『マネジメント』の中で取り上げられている意味でのマネージャとして。しかし、夕紀のように才能があってもマネジメントの役割を知らなければ、組織(野球部)に成果をあげさせることができなかった。という風に解釈してみるのも良いですね。
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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
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第一話 みなみは『マネジメント』と出会った
いよいよ始まりましたね。冒頭の三宅アナウンサーのナレーションを聞くと、まるで NHK スペシャルのようです。これは、普段アニメを観ない方々にはちょっとした安心感になるかもしれませんね。
さて、お話しの方ですが、思ったよりも展開が早いですね。しかし、ドラッカーの言葉の解釈には十分に時間を取っていて、ドラッカーを期待して覩る人にも納得いく内容だったと思います。
今回は最初ということもあって「リーダーの真摯さ」「事業の定義」そして「顧客は誰か」という、どれも重量級の提起を扱っていました。この中で、私が『もしドラ』の最大の価値だと思っているのが、『顧客』という言葉をとても適切に解釈している部分です。日本語でドラッカーの本を読む上で、一番難しいのが、この『顧客』という言葉の解釈だと思います。原書では "customer" と書かれていて、これを日本語に翻訳するには『顧客』と訳すしかないのですが、日本語の『顧客』という言葉には、いわゆる「お客様」といった意味合いしかないので、そのまま解釈してしまうと理解に苦しむことになってしまいます。しかし『もしドラ』では、マネージャである主人公のみなみや夕紀、そして、野球部の部員までを『顧客』と解釈しています。ドラッカーが言う "customer" は、このように解釈するべき言葉なのです。敢えて日本語にするならば『組織に関わり支える人々』といった意味の言葉です。それを、とても分かり易くしてくれている『もしドラ』が 250 万部も発行されて、こうして TV アニメとして NHK で放送されることで、多くの人に伝わることは、とても素晴らしいことだと思います。
『もしドラ』&『ドラッカー マネジメント(エッセンシャル版)』 2巻セット
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いよいよ今日からアニメ『もしドラ』が始まります
萌えキャラを使った装丁のライトノベルでドラッカーのマネジメントに触れることができるということで話題になり、発売から今までに 250 万部以上を発行している*1大ベストセラー『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』の TV アニメの一挙放送が、本日 22 時 55 分から NHK 総合で始まります*2。またアニメに続いて 23 時 20 分から、ドラッカーの理論を理解するためのミニ・ガイド番組『私とドラッカー』も放送されます*3。
この blog も昨年の六月に 365 日の金言のフォローが完了して以来、更新していなかったのですけれど、また毎日フォローするネタが出来たので、明日から、前日に放送されたアニメ『もしドラ』と『私とドラッカー』について毎日フォローを始めたいと思います。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
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『ドラッカー365の金言』6月20日・『マネジメント』より
社会へのインパクトというのは、急激な為替の変動とか、天災とかを指すのだろう。為替の変動にしても天災にしても、一時的には経済の停滞をもたらすが、必ずその反動があるのでをこにはビジネス・チャンスがあるはず。インパクトというのはそういうものだと思う。逆に、機会にできないインパクトというのは考えにくい。天災などは人道的見地からビジネスとすべきではないということか? そう考えると、規制という言い方がしっくりくる。
無用なインパクトの除去を機会にするということは、例えば損害保険のように、それが誰もが望まないものだからそれを除去するのがビジネスになるということだろう。
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『ドラッカー365の金言』6月19日・『見えざる革命』より
年金生活者はその需給金額が決まっているから、インフレが一番怖い。そして年金生活者やその予備軍が一大勢力となると、現代社会にとっての最大の問題である失業すらも、インフレに比して意識が薄くなる。しかも、インフレとデフレを比較すればデフレの方が経済が不活性であるのに、それを望む一大勢力がいるということは、経済社会の機能不全を招くことになる。
新訳 見えざる革命―年金が経済を支配する (ドラッカー選書)
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『ドラッカー365の金言』6月18日・『未来企業』より
このページを読んだ後で考えると 17 日の頁で訴えていることは、単に資本の流れの問題だけではなく、ぬるい企業の存在すらも許されないという意味なのだとわかる。
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『ドラッカー365の金言』6月17日・『見えざる革命』より
15 日の頁や 16 日の頁と関連させて考えると、資本を新技術や新事業に注入しなければ、経済が先細りして年金をはじめとする社会の仕組みが破綻するということなのだろう。
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